「Kids Program」 ―中学生対象のインターンシップを担当して学んだこと

Kids Program メイン画像

書いた人:菊池(プログラマー)

初めまして、新米プログラマーの菊池です。学生時代は落研でした。

9月に入り、秋の虫の音が聞こえてくるようになりましたね(今年の夏は長かった……)。

さて、少し前になりますが、7月30日から8月3日までの1週間、Zooops Japanでは中学生を対象としたインターンシップを行いました。

大学生を対象としたインターンシップは、多くの企業が行う就業体験イベントとしてスタンダードになりつつありますが、もっと早い年齢からITに触れ・知ってもらおうと始まったのが、この「Kids Program」です。

今回担当になったことでいくつか気づきがあったので、それについて書いてみたいと思います。

事前準備:始めが肝心

そもそもは、『ZERO GRAVITY』という中学生団体に所属する生徒たちが、将来起業するための準備として、「アプリ作成を学びたい」と弊社に要望を伝えてきたことがきっかけでした。

そこで、iPhone/Androidアプリの開発に携わっている社内メンバーにも意見を出してもらいながら、今回は「実際にAndroidアプリを企画して、開発をしてみよう!」をテーマに、5日間を進めることにしました。

その際、苦労したことや工夫したことをまとめてみるとこんな感じに。

●生徒たちの要望と現実にできることに折り合いをつけ、実際のプログラムに落とし込んでいったこと(結局、当日までどうするかを生徒たちと話し合いました)

●システム開発では、複数の人間で一つのシステムを作ることが多いため、Git(ギット:プログラムのソースコードなどの変更履歴を記録・追跡するための分散型バージョン管理システム)を使うことが多いのですが、さすがにそうしたツールが多くなると生徒が混乱するのではないかということで、今回はツールを使わずに、4人ずつ2チームに分かれ、話し合ってもらいながら進めることに

1日目:開発環境の構築で一苦労

1日目は、社員への自己紹介と開発に使うPCに開発環境を構築してもらうところから始めました。これは、開発を行うための手順を知ってもらおうと考えたためです。

ただ、ねらいはよかった(と思う)のですが、全員がPCにインストールをし終えたところに予期せぬ不具合が出たものがあったため、そのリカバリーに時間を要してしまったり、Android Studio(アンドロイド スタジオ:Googleが提供するAndroidプラットフォームに対応する統合開発環境)のインストールにも時間がかかってしまったりと想定外のこともあったので、事前に私たちのほうで準備してしまっても良かったかなと思いました。

Kids Program実習の様子

開発環境の構築後、早速どんなアプリを作るか話し合う生徒たち

2日目:だんだん操作に慣れてもらう

開発初日はまず、Hello World(画面に「Hello, World!」に類する文字列を表示するプログラムの通称)をエミュレーターに表示させることから始め、色々操作をしてもらいながらPCやアプリケーションなどに慣れてもらうことに注力しました。

しかし、慣れない作業のせいか、エミュレーターに表示できない生徒がいたため、ここでもリカバリーに時間を要してしまいました。

インターンのプログラムを組む時には、こうした想定外のことが起こることを踏まえて、余裕をもった時間配分が必要だな、と感じました。

3日目:社長へのインタビューで会社の仕組みを学ぶ

折り返し地点の3日目。本格的に開発に入るも中々作業が進まず、生徒にも私にもお互いに焦りが出てきました。

これまでは生徒の希望を優先して、好きなように進めてもらっていましたが、ほぼ知識がゼロの状態で作るのも限界があるのではと判断。参考書からテンプレートをいくつか提示して、「まずは作ってみようよ!」という提案をしました。

すると、テンプレート利用案を採用したチームは少しずつ作業が進むようになり、「もう少し頑張ってみたい」と言った声も出るように(方向転換が功を奏して良かったぁぁ!)

またこの日は、生徒たちからの要望で、代表・渡部へのインタビューも行いました。

テーマはずばり、「2026年の未来」。これは生徒たちが考えたもので、2026年は彼らが大学を出て就職する場合、社会に出る年でありその頃にはAIなどによって、多くの仕事がなくなっていると言われています。2026年の仕事や働き方について考えようというのが、生徒たちの「2026の未来」という言葉の意味です。

質問が始まると、起業のきっかけやこれからの働き方といった硬派な質問が出てくる出てくる……。さすがに起業を目指す生徒たちです。渡部は一つ一つに丁寧に答え、それをじっと真剣に聞いている生徒の姿が印象的でした。

Kids Program 社長インタビュー風景

スマホアプリを説明する渡部の話に、身を乗り出して聞き入っていました

4日目:どうにかアプリの形が見えてきた

テンプレート通りに開発することを決めたチームは作業スピードが速くなり、どうにかアプリの形が見えてきました。しかし、一方のテンプレートを利用せずに進めるチームはやはり二進も三進もいかない状態でしたので、もう一度テンプレートの利用を提案することにしました。

すると、彼らもテンプレート通りに作業を進め始め、最終日の午前中にはなんとか形になりそうな目処を立てることができました。

Kids Program 開発風景

参考書と首っ引きで、真剣に打ち込む様子

最終日:いよいよ成果発表!

ついに迎えた最終日。午前中はラストスパートをかけ、午後に社員の前で成果発表を行いました。

Kids Program 発表

さあ、いよいよ発表です!

それぞれのチームごとに、飲食店のメニューを紹介するアプリとスケジュール管理アプリを企画・開発したこと、開発ポイントから進める上で工夫した点などをプレゼンしてくれました。

大勢の大人の前で発表するのは、少し緊張したかもしれません。

Kids Program 発表

真剣な表情で開発ポイントなどを説明

Kids Program 社員たち

理路整然とした話しぶりには、聞いている社員も感心しきり

3日目あたりからは心配ばかりでしたが、各チームとも完成まで進められたことに、担当としては本当にホッとしました。

(開発したプログラムのソースの受け渡し方法を事前に決めておくべきでしたけど……)

まとめ:インターンシップを終えて

最後に、参加してくれた生徒の皆さんに、このプログラムに参加しての感想を聞いてみました。

●自分でアプリを作ったことや、社員の皆さんの様子から、会社では様々なこと(分からないことを質問する、1つの作業を分担する、協力するなど)を積極的・能動的にやらなければ会社は回らないのだろうなと感じた。

●学校では、座って授業を聞き、テストを受けていれば良いが、それだけで満足せず、自ら様々な体験(本を読む、検定や資格をとる、インターンやワークショップに参加するなど)をして、自分の知らないことを知り、自分を高めていきたいと思った。

5日間という短い期間にもかかわらず、分からないことだらけだった中でよく最後まで作り切ったと思います。

今回のプログラムで、Android Studioの簡単な使い方を身に付け、アプリ完成までの流れは一通り体験してもらえたのかな、と思います。ただ、言語的な理解は難しく、ほぼテンプレートを写しながらの作業となってしまいましたので、今後は各自で学習を進めることになると思います。

ここからが大変なところですが、継続して学習できる範囲を広げていって欲しいと思います。

またアプリ作成経験だけでなく、普段の学校とは違う姿勢が求められることを実感してもらえたのも、貴重な体験になったと思います。

もう新学期が始まっていますが、この5日間の経験を生かして、よりよい学校生活を送って欲しいですね。